きのうまで 朝が来ると思っていた
今日の朝窓の雨粒
朝ごはんにハムとチーズはね…
牛乳にもヨーグルトにも 合わないの 塩は
いたずらに見る星の彼方
ウィトゲンシュタイン 彼の望む平和
今日からは 足取りなだらかに
平坦な山道 ハイクするときは
媚びない何も
僕の大事な人 私たちだけど
街で見た 若い二人が 手を繋がない様子
店から出て店に入る
鞄が傷んで 顔が病んでる
あの人たち どこに行ってしまうの
誰についていってしまうの
都市は見窄らしい
路地はうやうやしい
街の平和
子供ながら人の気持ち
世の中の有象無象
大人たちは見えていないの
雪の形
風の気持ち
雨の癒し
雲の変化
月が譲る
空の懐
茸たちの世間話
羊歯の仲間
虫の蠢き
木々の幹の強い抗い
川の流れ
鴨の親子
岸の賑やかさ
水の変わり身は常に賢く
弧を描く球の測地線
夕陽の角運動量保存
雀が 遠くから雲雀が
足元に 蟻の一家族の行列
電車がお客を乗せる
車が荷物を運ぶ
人波がPCと書類と秘密を隠す
きのうまで 夜は来ると思っていた
今宵の窓枠の喧騒
夜食でも即席麺はね…
塩辛いつゆも 昼間で もういい
広がっている この星の彼方
謹慎していた過去のアインシュタイン
これからの 世界は平和で
豊かさの差別も 病も 咎も
願うよ なくなると
うるおいはどこに?
瞳から出るの
不自然なくらい
夏涼しい図書館内のソファ
乾燥しきっていた
暖かいランドマークタワー
漫才も クラシックコンサートにも
伝統芸能にも 人が集まり
気持ち朗らかに 心楽しく
飽きるほど笑い
いつも国の行く末を話し合い
国と国の事情集め 互いに考慮し合い
街を支え
道を流し
海を治め
法を守り
罪を裁き
罰を与え
常に人を見て
物を作り
品を並べ
人を集め
売って買って
使いこんで
惜しみ捨てて
人を騙し
金を盗み
惑わされて
迷わされて
酒を配り
鳥を焼いて
氷割って
話聞いて
煙草で宥め
千鳥足で帰る
成分が相関したグラフ
電磁的な情報量保存
光より 北斗七星で
涙が 夜空から頬に伝えた未読
戦争で人も家族も死んだ
爆弾で詩も絆も壊れた
不況で潰した世紀末 SNS
なんだかんだ終わらないで 誰かの手で書き続いた 哲学 文学
身近なもの生み続けた 技術者
莫迦にでかい街を植えて 国の外の人も呼んだ 建築
新たな目で観察して 見せなかった姿魅せた 発明 発見
人を集め勧めてきた 発信
フリックしてタップもして スクロールしながらポチる 消費者
ネットワーク文明
私たちは いつも和やかに
忘れなかった いつだって穏やか
地球の上には火山もあるし
地震も起きるし津波も寄せる
地平の上では台風つくられ 嵐も襲うし大雨も降る
地盤沈下も交通事故も 山野の火災もビル倒壊も
知識では扱えない自然のもとにいる
空気のように吸っているか
資源は限りがあるのだということを
子供の代には孫と生きてほしい
暮らしやすい知恵を絞ってほしい
学校にはいろいろ教えてほしい
どうにかなるなにもかもならば 好きなようにし
なにもできないことは どうもできようも ないのだから いつも
きのうまで 昼は来ると思っていた
ベランダのレースのカーテン
昼食にはお米の麺だね
スープには煮干とどんこでとる出汁
夢でも見た 星はすぐそばに
眺めずとも 手で掴み取れる
黙り続けてきた困難を 思う
外出て 道を歩きたい
今朝すすいだ水は 雑味がなくて
きよく始まった
奏でられる譜面
響かせる指揮者
球面におけるピタゴラスの定理の変形によって
冪乗と対数の調和平均の逆行列を
複素平面に割って求めた
総乗積と等価な数列情報
または 滑らかな文字列の分母に乗った
きょうだい関係
これはまるで
暗い片目
単純な美
肩が凝った
巨人の椅子
夭い命
うねる歴史
羽の軽さ
鳥の重み
林檎の味
針の乱れ
月の歪み
潮の力
そしてどうせいずれ
盤の軌道
宙の形
飛行航路
飛来時刻
土の温度
砂粒の数
天の極み
光の道
風の噂
金の匂い
情報も暗号も
人工知能も 人工身体も
やがて完全に制御できるようになる
新しい演奏を始める
交響曲「ゴールドベルク」
指揮者はね
お決まりの英雄:整数の王
…だからつまり人類じゃない
聴衆は私たち 楽器も歌い手も
みなめいめい組んで
それぞれで楽しもう
培い 耕し
背も 羽も 伸ばし
花も 実も 世話する
なだらかな足取り