なだらかな足取り (Piano Sonata No.21-1, Schubert)

きのうまで 朝が来ると思っていた
今日の朝窓の雨粒

朝ごはんにハムとチーズはね…
牛乳にもヨーグルトにも 合わないの 塩は

いたずらに見る星の彼方
ウィトゲンシュタイン 彼の望む平和

 

今日からは 足取りなだらかに
平坦な山道 ハイクするときは
媚びない何も

僕の大事な人 私たちだけど

街で見た 若い二人が 手を繋がない様子
店から出て店に入る
鞄が傷んで 顔が病んでる
あの人たち どこに行ってしまうの
誰についていってしまうの

都市は見窄らしい
路地はうやうやしい
街の平和

 

子供ながら人の気持ち
世の中の有象無象
大人たちは見えていないの

 

雪の形
風の気持ち
雨の癒し
雲の変化
月が譲る
空の懐

茸たちの世間話
羊歯の仲間
虫の蠢き
木々の幹の強い抗い
川の流れ
鴨の親子
岸の賑やかさ
水の変わり身は常に賢く

弧を描く球の測地線
夕陽の角運動量保存

雀が 遠くから雲雀が
足元に 蟻の一家族の行列

電車がお客を乗せる
車が荷物を運ぶ
人波がPCと書類と秘密を隠す

きのうまで 夜は来ると思っていた
今宵の窓枠の喧騒

夜食でも即席麺はね…
塩辛いつゆも 昼間で もういい

広がっている この星の彼方
謹慎していた過去のアインシュタイン

 

これからの 世界は平和で
豊かさの差別も 病も 咎も
願うよ なくなると

うるおいはどこに?
瞳から出るの

不自然なくらい
夏涼しい図書館内のソファ
乾燥しきっていた
暖かいランドマークタワー

漫才も クラシックコンサートにも
伝統芸能にも 人が集まり

気持ち朗らかに 心楽しく
飽きるほど笑い

いつも国の行く末を話し合い
国と国の事情集め 互いに考慮し合い
街を支え
道を流し
海を治め
法を守り
罪を裁き
罰を与え

常に人を見て
物を作り
品を並べ
人を集め
売って買って
使いこんで
惜しみ捨てて

人を騙し
金を盗み
惑わされて
迷わされて

酒を配り
鳥を焼いて
氷割って
話聞いて
煙草で宥め
千鳥足で帰る

成分が相関したグラフ
電磁的な情報量保存

光より 北斗七星で
涙が 夜空から頬に伝えた未読

 

戦争で人も家族も死んだ
爆弾で詩も絆も壊れた
不況で潰した世紀末 SNS

なんだかんだ終わらないで 誰かの手で書き続いた 哲学 文学
身近なもの生み続けた 技術者
莫迦にでかい街を植えて 国の外の人も呼んだ 建築
新たな目で観察して 見せなかった姿魅せた 発明 発見
人を集め勧めてきた 発信
フリックしてタップもして スクロールしながらポチる 消費者
ネットワーク文明

私たちは いつも和やかに
忘れなかった いつだって穏やか

地球の上には火山もあるし
地震も起きるし津波も寄せる
地平の上では台風つくられ 嵐も襲うし大雨も降る
地盤沈下も交通事故も 山野の火災もビル倒壊も
知識では扱えない自然のもとにいる

空気のように吸っているか
資源は限りがあるのだということを

 

子供の代には孫と生きてほしい
暮らしやすい知恵を絞ってほしい
学校にはいろいろ教えてほしい
どうにかなるなにもかもならば 好きなようにし
なにもできないことは どうもできようも ないのだから いつも

 

きのうまで 昼は来ると思っていた
ベランダのレースのカーテン

昼食にはお米の麺だね
スープには煮干とどんこでとる出汁

夢でも見た 星はすぐそばに
眺めずとも 手で掴み取れる
黙り続けてきた困難を 思う

 

外出て 道を歩きたい
今朝すすいだ水は 雑味がなくて
きよく始まった

奏でられる譜面
響かせる指揮者

球面におけるピタゴラスの定理の変形によって
冪乗と対数の調和平均の逆行列を
複素平面に割って求めた
総乗積と等価な数列情報

または 滑らかな文字列の分母に乗った
きょうだい関係

これはまるで
暗い片目
単純な美
肩が凝った
巨人の椅子
夭い命
うねる歴史

羽の軽さ
鳥の重み
林檎の味
針の乱れ
月の歪み
潮の力

そしてどうせいずれ
盤の軌道
宙の形
飛行航路
飛来時刻
土の温度
砂粒の数

天の極み
光の道
風の噂
金の匂い

情報も暗号も
人工知能も 人工身体も
やがて完全に制御できるようになる

新しい演奏を始める
交響曲「ゴールドベルク」

指揮者はね
お決まりの英雄:整数の王
…だからつまり人類じゃない
聴衆は私たち 楽器も歌い手も

みなめいめい組んで
それぞれで楽しもう

 

培い 耕し
背も 羽も 伸ばし
花も 実も 世話する
なだらかな足取り

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海と猫のためのアリア (白鳥の歌 第十二曲より)

月はしろく光り
さいごの夕やみ
僕らは座ってた
静かにひそりと

القمر يضيء باللون الأبيض
غروب الشمس النهائي
لقد عرفنا
بهدوء وصمت

 

霧立ち潮満ち
からす飛び交い
君があふれる
涙はこぼれる

المد والجزر الضبابي
الغربان تطير حول
أنت فيض
دموع تنهمر

 

君の手もとれずに
ひざから崩れた
君の白いページ
涙をすすった

دون أن أكون قادرا على الإمساك بيدك
انهارت على ركبتي
صفحتك البيضاء
شربت دموعي

 

それから幾年
死ぬまで焦がれた
君とはわたしの
箱の中の猫

بعد سنوات
لقد تمنيت أن أموت
أنت وأنا
قطة في صندوق

 

アーメン

الله أكبر

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きっとそうでしょう (the chance you take)

二人で会った あのときめき
今もそうでしょう きっとそうでしょう
柔らかかった 温かかった
明日もそうでしょう きっとそうでしょう

The excitement of the two of us meeting
It’s still the same, surely it will be
It was soft and warm
It’ll be the same tomorrow, surely it will be

君 わたしだけ見てた
岸 穏やかに去った
傷 いつまでも どこまでも
覚えてるでしょう そうでしょう

You were only looking at me
The shore left peacefully
The wounds will always be there, forever
I’m sure you’ll remember them, surely

明日は最後の お別れだけど
変わらないでしょう きっとそうでしょう

Tomorrow is our final farewell, but nothing will change, I’m sure

朝 あなただけ見てた
雨 ずっと気にしてた
愛 いつまでも いつまでも
付き合えるでしょう そうでしょう

In the morning, I only saw you,
I was always worried about the rain,
our love will last forever,
we can be together, right?

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子旁日 – 黄金の山並みの移りかわり (BWV 988 Aria)

主は静かにやってくる

響く賛美の声たちと 主への祈りと共に

礼拝を捧げる間も

美しく短い時を愛でつつみこむ

主の到来は測れない

信じるわたしたちに計画された

胸の情熱も 劇的な傷をも 辛い思い出も

主は知っておられる

주님은 조용히 오시다

울리는 찬양의 목소리와 주님의 기도와 함께

예배를 바치는 동안에도

아름답고 짧은 시간을 사랑으로 짚고

주님의 오심은 측정 할 수 없습니다.

믿는 우리에게 계획된

가슴의 열정도 극적인 상처도 매운 추억도

주님은 알고 계십니다


主は静かに守られる

迷い惑う足どりも 主の心から見れば

荒波に呑まれる間も

美しくつながる線で愛を描き出す

主の試練は測れない

祈るわたしたちに経験される

暗い世の中も 生きる儚さをも 残る喜びも

主は見つめている

주님은 조용히 지키시다

망설이는 다리도 주님의 마음에서 보면

거친 파도에 삼키는 동안에도

아름답게 연결되는 선으로 사랑을 그립니다.

주님의 시련은 측정할 수 없다.

기도하는 우리에게 경험

어두운 세상도 살아가는 어리석음도 남는 기쁨도

주님은 응시하십니다

 

夜に疲れてこわれた 心が悩む時に

祈りの中で主が語りかける

落ち着く気持ち

透明に晴れた視界

確かな主の導きでたどりつける

この風も そのそよぐ枝の葉も

主の十字架のそばを吹き寄せ

あの時も今も伝えた

いつまでも呼びかけ続け

世界の果てまで生き返らす

主の救いが広がるよう祈ります

밤에 지쳐 버렸다 마음이 고민할 때

기도 속에서 주님이 말씀

차분한 느낌

투명하게 맑은 시야

확실한 주님의 인도로 가십시오.

이 바람도

주님의 십자가 옆을 불어라.

그때도 지금도 전했다

언제까지나 계속 불러

세계의 끝까지 살아남다

주님의 구원이 확산되도록 기도


昼に沸き立ち上がる 心が昂る時

感謝の中で主が話しかける

溢れ出す愛

未来への確かな道

正しい主のみことばに教えられる

この雲も その沈みゆく夕陽も

主の十字架の空を見届け

あの丘の上を照らした

限りなく注がれ続け

私のすべてをつくりかえる

主の御手が行き届くよう望みます

낮에 끓어오르는 마음이 떠오를 때

감사 속에서 주님이 말을 건다

넘치는 사랑

미래에 대한 확실한 길

올바른 주님의 말씀에 가르칠 수 있는

이 구름도 그 가라앉는 석양도

주님의 십자가 하늘을 지켜보십시오.

그 언덕 위를 비추었다.

한없이 쏟아지는 계속

나의 모든 것을 바꾸다

주님의 손이 가까워지기를 원합니다.

 

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栄光の国 (Pomp and Circumstance)

栄光の国 希望と自由

Tír Ghlórmhar: Dóchas agus Saoirse

神を讃え 満ち溢れる

Molaigí Dia agus bígí lán le lúcháir

広く広く 限りなく

Go forleathan agus go forleathan, gan deireadh

神の力 今も強く

Fanann cumhacht Dé láidir
 


神の力 今も強く

Ka bor U Blei ka iai neh .

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音楽さま (An die Muzik)

1.

Du holde Kunst, in wieviel grauen Stunden,
Wo mich des Lebens wilder Kreis umstrickt,
Hast du mein Herz zu warmer Lieb entzunden,
Hast mich in eine Beßre Welt entrückt,
in eine Beßre Welt entrückt.

1.

人生は大きな試練にあう

厳しい暮らしを強いられる

音楽は愛で炎を灯す

わたしの道をよりよく

よりよくしてくれる

2.

Oft had ein Seufzer, deiner Harf entflossen,
Ein Süßer, heiliger Akkord von dir,
Den Himmel beßrer Zeiten mir erschlossen,
Du holde Kunst, ich danke dir dafür!
Du holde Kunst, ich danke dir dafür!

2.

思わずため息が出るリズム

甘くきよらかなメロディ

天国とわたしの道をつなぐ

音楽さま、ありがとう!

心からありがとう!

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甍夢 Träumerei

ゆめ 皐月の川 晴れた空泳ぐ鯉のぼり

Mnyam ma: Uwo u ken uwer u Mei, sha kwavaôndo wanger, man ishu i i yer ér carp la ngi ôôn mngerem .

ゆめ 息子にも 買って家で飾ってあげたいな

Yume: M soo u yamen wan wam môm, me tese un hen ya.

ゆめ 夜明けの時 橋遥か望む朝ぼらけ

Mnyam ma, pepe pepe, i nenge a bridge la ica, ken atetan

ゆめ 息子から 困難を傍で聞いていたいな

Yume: M soo u lun vea mo shi ungwan mbamtaver mba wan wam .

つみ 月夜の海 若い時泣いて 悩んで

己の体を 夜港に遺そうと

ゆめ わたしをこそ 喪う心を 伝えたい

Yume: M soo u pasen er i lu mo ken ishima sha kwagh u or u nan kpe la yô .

ゆめ そのままなら 後のことはそれで うまくいくから

Aluer u za hemen u eren mnya yô, hanma kwagh una za vough ken masejime.

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Op. 39-15 (Brahms)

流れゆく 重なる雲の群れ

はばたく鳥たち その煌めく羽

穏やかな 小川のせせらぎ

優しいヤマモモ その揺れる枝葉

見守るカラス 飛び立つツバメ

命に溢れる昼間

A flock of overlapping clouds passing by

Flapping birds, their glittering wings

The gentle murmur of a stream

Gentle Japanese bayberry, its swaying branches and leaves

Watching crows, swallows taking flight

A day full of life

 

日が暮れて 静まる夜の風

輝く三日月 あの瞬く星

暖かな 窓辺の家々

明るい灯 子の喜ぶ声

出会った人びと 起こった出来事

きょうもよい 一日だった

The sun sets and the night wind calms

The shining crescent moon and the twinkling stars

The houses by the warm windows

The bright lights and the happy voices of children

The people I met and the events that happened

Today was a good day


新しい 朝が来るまで

おやすみ 眠れる時の夢の中

Until the new morning comes

Good night, in my sleepy dreams

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Finlandia

1.

Oi, Suomi, katso, sinun päiväs’ koittaa,

yön uhka karkoitettu on jo pois,

Ja aamun kiuru kirkkaudessa soittaa,

Kuin itse taivahan kansi sois’.

Yön vallat aamun valkeus jo voittaa,

Sun päiväs’ koittaa, oi synnyinmaa.

1.

スオミよ、夜が明ける

闇はもう 追い払われた

ひばりが 白い空が

鳴くように 歌っている

日の出が 夜に打ち勝ち

来る朝。わが祖国よ。

2.

Oi, nouse, Suomi, nosta korkealle,

Pääs’ seppelöimä suurten muistojen.

Oi, nouse, Suomi, näytit maailmalle,

Sa että karkoitit orjuuden,

Ja ettet taipunut sa sorron alle,

On aamus’ alkanut, synnyinmaa.

2.

スオミよ、立ち上がれよ

偉大な 歴史冠れ

支配に 屈することなく

奴隷の 身から逃れ

頭を 高くもたげて

始めよ。わが祖国よ。

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カテゴリー: European